建築家と建てる贅沢な注文住宅 - オープンシステム

必要、必然2

 大分の現場から実況中 『屋外にリビングのある家』

2012年1月27日(金) 必要、必然の出会いー2

[ohnari:185] 必要、必然の出会いー2

山中殿
運乗さま
みなさま

必要で必然、最高(ベスト)の「出会い」の続きです。
山中さんから指摘された「出会い」の内容は次の3つでした。

①「屋外にリビングがある家」づくり(前回のメイル)
②遠隔地でのオープンネットの実施(今回のメイル)
③新たなマイクロバブル風呂づくり

②については、まず、大分県国東市への移住を、どう決めたかまで遡(さかのぼ)る必要があります。2012年の春からどこに住むか、これが本格的に検討されはじめた約1年前の2011年春のことでした。

その候補地として千葉県木更津市、山梨県甲府市、大分県国東市の3つが出てきました。それぞれ、ゆかりのある年でしたが、最終的には、大分空港が目の前にある国東市武蔵町がよいということになりました。その決定において最も重要なことは、福島原発事故であり、ここからできるだけ遠く、安全な場所を確保する必要があると思うようになったからでした。

もともと故郷の大分県宇佐市には住宅用の土地があったのですが、そこよりも大分空港のすぐ近くがよいということになり、この周辺の土地を視察に出かけました。この時、高い山の上に造成地ができたという情報があり、そこに見学に行った帰りに道に迷いこみ、偶然でてきたところが大分県住宅供給公社が造成した向陽台団地でした。

「こんなよいところがあったのか、1区画が広く、電線がない。緑が豊か、津波の心配はない、空港から近く車で5分で行ける」と、かなりの条件がそろっていました。おそらく、ここより良いところが他に見つからないのではないかと思って、この団地を本格的に検討することにしました。

そして2回目の視察の際に、この団地内の候補地をすべて踏査し、北のはずれにあった土地を仮押さえしました。それから、米子の山中さんに電話をし、大分県でオープンシステムを行っている建築業者はいるかと尋ねました。答えは、「かつてはいたが今はいない」とのことでした。

家の基本設計は、家内を軸にしてなされるようになり、まずは、建築雑誌を購入し、各種のタイプの家の比較がなされました。その際、山中さん発行の『イエヒト』が大いに参考になりました。

いざ、自分の家を立てるとなると真剣にならざるをえませんので、ああだこうだと意見を出しあいながら検討が進み、その度にコンセプトが確立していきました。そのひとつが中庭案でした。中庭を広くとり、それを囲むように住居と会社部分を設けることがよいというアイデアに到達していきました。

ところが、市販の建築雑誌のなかには、中庭を大きくとるプランがほとんどなく、ここで行き詰まりました。もちろん、大手建築会社や工務店のプランでも、このような事例はなく、なかなか設計プランの具体化の進展がみられませんでした。

そこで、従来の住宅モデルにはないのであれば、自分で設計するのがよいと思うようになり、これに果敢に挑戦しましたが、これもうまくいきませんでした。間取りの組み合わせが多すぎて、こちら立てればあちら立たずになり、少しもプランが完成しませんでした。

そろそろ時間の余裕もなくなってきたので、山中さんに二度目の電話をかけました。「土地は大分県国東市に確保しましたので、設計をお願したいのですが、いかがでしょうか」

これに対し山中さんの最初の返事は、否定的でした。無理もありません、すでに残りの時間があまりなかったのです。

オープンネットの場合(オープンネットのホームぺージ参照)、通常は約1年前から家づくりのプランを検討しはじめるのだそうで、その時には半年しか残っていなかったのですから、山中さんが躊躇されたのも当然のことでした。それに大分県にはオープンネットの会員がおられないとのことで、遠隔地からのオープンネットの仕事には前例がなかったようでした。

しかし、ここで怯んではだめだと思って、「もうすでに基本設計ができています」といい、「遠いのは山中さんですから何とかなるでしょう」と強くお願いし、最後には、「そちらのプランを見せてください」といっていただけるようになりました。

この同意を得たことを家内に報告すると、手放しで喜ばれ、「さすが」と誉められました。早速、私どものプランを山中さんに見せると、これがかなりよいと誉められることになり、事実上の基本設計が始まることになりました。

山中さんとの出会いは、このような必要性、必然性の結果として生まれたことでした。

(つづく)

大成博文(徳山高専)


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